16ぶおんぷです。
秋のグレードテストまであと一ヶ月をきりました。受験予定の百余名の生徒さん達は、先生といっしょに11月30日に向けて頑張っていらっしゃることでしょう。
ところで、今回のタイトルをご覧になって「え~!そんなものあるの?」と眼を丸くされた方もおありなのでは?
「グレードテストって何回間違えたら不合格なんですか?2~3回は合格ですか?」
グレードを受験される生徒さんのお母様から時々聞かれる質問です。
審査員でもある私は、「ああ、そうか。生徒さんのご家族にもグレードテストの意義や審査員の『思い』をお伝えしておく必要があるんだ。」と思ったわけです。
まず最初に言えることは、「何回間違えたから不合格、ノーミスだったから合格」という規準はありません。
級によって求められる質は高くなっていきますが、やはり3人の審査員が皆一番ウェイトをおいているのは「どれだけピアノで表現できているか」ではないでしょうか。
16級は16級なりに、7級は7級なりにどれだけ「音楽を」「自分自身を」表現できているかを追求してください。
ということは、実はかなり弾きこ込まないと聴いている者に伝わらないので「練習不足でミス連発」の状態では当然×です。
逆にたまたまミスタッチはあったけれど、「一生懸命表現できていた」とか、「音色の変化に富
んでいた」は○ということになります。
ただ、表現云々より、まず第一に正確さを求められるのが「スケール(音階)」です。
「音階は指の練習・訓練でしょ?」と思われていらっしゃる方もおありかと思います。
それもないわけではありませんが、音階を課題に出すことによって音楽理論の基礎を学び、基礎の理論をわかった上で演奏ができるようになっていって欲しい故に13級以上の級には音階が必須となっているのです。
様々な調を理解することは、これからの演奏を深くする上で欠かせないことなのですから、けっして嫌がらず面倒くさがらずに音階を学んで身につけてください。
そして、それらの実力をテスト本番で存分に発揮できるような強い心・精神力を養ってください。わざと聴かれたくない人の前で弾いてみるとか、「今から本番!」とイメージ練習をするとかも大切かと思います。
過去に何度も「ああ、本当はもっと弾けてたんだろうな。」と思いながら緊張しすぎて実力を発揮できなかった生徒さんを涙をのんで不合格にしたことはありますよ。
要するにピアノグレードテストの必勝法とは
①ピアノで表現する力を身につける
②音階と仲良くなる
③本番に強い心を養う
の3点ではないでしょうか。