先日、たかまつ楽器サロンPiace(ピアーチェ)にて
齋藤信哉先生によるピアノの構造学についての講座が行われました。
齋藤先生と言えば、著書『ピアノはなぜ黒いのか』や、今回の講座にも少し取り上げられた『ピアノと日本人』も書かれています。
が、実際は数々のピアニストの調律も手がける調律師さんです♪
今回参加したのは、たかまつ楽器音楽教室講師と、たかまつ楽器スタッフが大半でしたので、
とても分かりやすく、ピアノのあれこれを教えて下さいました。
日本のピアノとヨーロッパのピアノとの違い。量産ピアノと手作りピアノの違い。
主要メーカーの累計生産台数と年間生産台数を比較し、いかにしてピアノ造りをしているか。
いかに手作りのピアノは時間をかけて作られているか・・・
ピアノの先生なら毎日見ているピアノの鍵盤。
その白鍵(鍵盤の白い部分)の形はすべて同じではないのです!
調律師は、鍵盤貼り替えをするので分かる人も多いと思いますが、
ピアノの先生や音大生は、ほとんど答えられないそう。
毎日見ている物なのに、『弾く』という行為だけを重視して、部品や構造については思っているより全然見えていないんだな、と感じました。
また、
鍵盤を弾くのではなく、弦を棒で叩いて音階を鳴らしてみよう!
ということで、何名かの講師がチャレンジ。
『あれ?なんで音が響かないの?』
鍵盤を押すと、ポーンと音が残りますよね。
それは、鍵盤を押すと、弦を抑えているダンパーという部品が持ち上がって弦の振動を邪魔しなくなるので音が伸びます。
その構造を知っていれば、鍵盤を押さず弦を叩けば音が伸びないのは『当然の事』なんです。
また、弦は半音階で並んでいるので、当然ハ長調の音階を鳴らしたければ、
○●○●○○●○●○●○○
という感じで、●を空けて叩かないと音階になりません。
(分かりにくいですねw○を白鍵、●を黒鍵と思って下さい)
これも、音楽学習者なら当然分かるはずですが、いざやるとアレ?って人も。
みんなピアノの周りをぐるっと囲って興味津々でした。
次のレッスンで子供達にチャレンジさせてみよ♪と思った先生もいたのでは?
でも、自分が演奏している楽器の構造を知ることは、演奏にとても良い影響を与えます。
この音階の事だって、
ト長調は♯が1つだよ、ヘ長調は♭が1つだよ、というお勉強的な覚え方でなく、
中の構造も知りながら、音階の仕組みも分かるというお得感w
それに、弾くばっかりより、たまにこんなクイズみたいなレッスンだと子供の興味もテンションも上がりますよね〜
実際に先生達もテンション上がってましたしw
ピアノメーカーの歴史的背景
そこには、戦争や革命、作曲家との関わりがあります。
勝戦国と敗戦国。
産業革命で得た技術。
それぞれの音楽家が求めた音色。
ピアノメーカーのポリシー。
自分の演奏する楽器について、もう1度興味を持ってもらえたら。。。
齋藤先生の講義には、ピアノに対する熱い想いを感じました。
『ピアノが好きです』の中には、“構造や歴史”も含まれていますか?
2分おんぷ@たかまつ楽器